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日本の伝統工芸品、もっと世界に発信を。 [文化・歴史・芸術]

 日本伝統工芸展が日本橋三越本店で開催されている。
 
 工芸品は観賞を目的とした美術品と異なり、私たちが日常使用するものである。とは言え、展示された一品一品の繊細な美しさや精巧なつくりは、実用品をはるかに超えた芸術品の域に達している。

 展示されているものは、陶磁器や漆器、金細工や竹細工、織物や人形など多岐にわたり、多くの人たちの目を楽しませてくれている。日本の伝統技術は、長い年月を人から人へとただ伝承されているだけでなく、それを受け継いだ職人の工夫やこだわり、思いなどが積み込まれ、決して風化することなく新しい息吹さえ感じさせる力がある。いにしえの香りを感じさせつつも現代的な斬新さが放たれている、それがいまの伝統工芸品だ。
 
 この展示品で共通しているのが、やはり和の形、和の色彩である。基本的に素材で決まってしまうと言えばそうだが、もうひとつ「和」へのこだわりが見えてくる。
それは茶の湯や華道などの精神に通ずるが、素朴さやわびなどに美を見出しているところ、西洋的な豪華さや明確な幾何学性などの人工的な美とは異なり、自然を大切にする心が伝わってくる。こうした日本的な美を外国人が理解できるかわからないが、おそらく不思議な力に惹きつけられるのではないか。 
 
 日本橋三越とあって年配の方が多く、あまり若い人たちの鑑賞者は見られなかったが、こうした伝統工芸にもっと関心をもってもらいたいものだ。日本が世界に誇れる素晴らしい財産と言っていい。若者はもっと自慢すべきである。
 
 これらの伝統工芸品はすべて手づくりで出来ている。その価格は相当なものと推測するが、製作にかかった時間、人件費を考えれば当然と言える。ただ、器ひとつに数十万のお金を出すことは一般人にはできない。庶民にお宝の価格だ。ただ、この伝統工芸を絶やさないためにも、この素晴らしい工芸品が高い価格で売れなければならない。そこが伝統工芸の大きな課題であろう。

 最近、日本の文化が世界で見直されてきつつあるが、観光地や食べ物だけでなく、こうした和の文化、財産を世界にもっともっとアピールし、より広げていくことが重要だ。
美の価値は、シャネルやクリスチャンディールのような金銀、プラチナの装飾品に決して劣ることはない。むしろ素材が木や竹、土などのありふれた自然素材を最高の技術と手間暇で作り上げた、最も贅沢品ともいえる。
 
 今回、高松宮賞はカイワレ大根を題材にした陶芸の鉢である。鉢の中にさりげなく描かれたカイワレの芽やその茎のラインを意識した形状は身近な感覚とユーモラスさ、そして伝統工芸品としての美的品格を備え、優れた作品が多く並ぶ中でも、「なるほど」と言える秀逸な作品であった。とにかく久々に感動と五感を感じる美に出会えたひと時を過ごした一日であった。
 

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